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今回はおなじみの研究者にして音楽家でもある鈴木正美 氏による、2018年秋のサンクトペテルブルク研究旅行、2019年初春のモスクワ研究旅行の報告を軸とする内容でした。 2都市で出会った人たちのことや、尋ねたミュージアム、美術館、立ち会った音楽ライヴ他、盛りだくさんのお話でした。鈴木先生のご報告は毎回、他ではお目にかかることができないことばかりです。是非、近年の研究旅行の成果を単行本にして発表していただきたいと願います。 今回は、ゲストとして、山田 光 氏(アルトサックス奏者、作曲家、他:文末にCD掲載*)、中野 圭 氏(大阪芸術大学芸術学部アートサイエンス学科准教授)をお迎えして、現代のロシアの音楽シーンに関するディスカッションも行われました。山田氏、中野氏はロシアとの縁が深い方々です。 特に山田氏は東京外語大学卒業後、サンクトペテルブルグに留学していた間(2010年~2012年)、当地の有数のインプロヴァイザーと密に交流し演奏した人物ですので、経験談をお話しいただきました。さらに、サックス・ソロ演奏も披露していただきました。 中野氏はテクノロジーアート、アートサイエンス作品研究、サウンドプランニング他に関して教鞭をとりつつ自身もパフォーマーという人物です。音楽にとどまらず多種アート表現を手がけたクリョーヒンを捉える上で中野氏の視点はとても重要と感じました。 また、当ブログ管理者(岡島豊樹)も少々時間をいただき、2018~2019年に注目された新版CDを中心にレビューをしました。その内容の抄録を以下に気しておきます。 [下掲写真内:右から鈴木氏、山田氏、中野氏] [CD紹介 PART 1:映画音楽] いつもあまり取り上げてこなかった映画音楽から始めます。 クリョーヒンがホンカー風のサックスで「タモリ倶楽部」のテーマ曲「Short Shorts」(by Royal Teens)を吹いている!?「それ」という題の映画のサウンドトラックから。原作は、ドストエフスキーの論敵だったというミハイル・エヴグラフォーヴィチ・サルトィコフ=シチェドリンの『或る町の歴史 История одного города』1869-70年。形而上学的な観点で書かれた悲喜劇(tragicomedy)と紹介されています。監督:Sergei Ovcharov。音楽: Sergey Kuryokhin (piano、 sax)、 Alexander Lyapin (g)、 Sergey Schurakov (accordeon)、 Vladimir Volkov (b)、 Alexander Kondrashkin(perc)他 。 クリョーヒンがテナー・サックスを愛していたことはよく知られています。 オレグ・カラヴァイチュクは、クリョーヒンをインスパイアした音楽家と言われています。その人が、サイレント映画『戦艦ポチョムキン』のために演奏した2種類の音楽を入れたCD(2枚組)から、Alternative Soundtrackの方の1曲目を。ここには、クリョーヒン的なフレーズが聞こえなくもない。ただし、ここに収録された録音は2006年とのこと。カラヴァイチュクは昔からこういう音楽、演奏をしていたかどうかわからない。情報をお持ちのかたはぜひ教えてください。 1955年ウクライナ生まれ、レニングラード音楽院卒の作曲家デシヤーニコフの作品集から。ギドン・クレーメルのピアソラ関連の協力者としても知られるデシヤーニコフは映画音楽、オペラのための音楽として著名です。いくつか聞いてみると、大変ロマンチックなメロディが多いようです。「アブサロムの死とタンゴ」はアレクサンドル・ゼルドヴィチ監督作品「Sunset 」(1990)の音楽のフラグメントから再構成したトラックです。ライナーノーツには、「クレズマー-タンゴのハイブリッドで、アルゼンチン音楽とシュテットル音楽のオデッサ・スタイルのミックス」と書かれています。シュテットルとは帝政ロシア時代にあった小規模のユダヤ人コミュニティーのこと(「屋根の上のヴァイオリン弾き」の舞台となった)。その音楽はいわゆるクレズマーですが、「オデッサ・スタイルのミックス」という言い方が非常に興味深い。 かつてオデッサは音楽の坩堝だったという捉え方は有名ですが、オデッサならではのミックス方法というやり方があったということ? 「オデッサ」関連ですが、映画音楽ではありません。ヴラディスラフ・ペシン(violin)らの弦楽四重奏団がガイヴォロンスキーの若い時の作品を演奏したアルバム。ガイヴォロンスキーといえば、私のような60歳代の人間にはロシアのフリージャズ・ヒーローですが、昔からクラシック音楽の様式の作品も書いていたそうです。しかし「オデッサ」はこのアルバムでは例外の1曲です。オデッサ出身のジャズ・ピアニスト、ユーリー・クズネツォフ(1953-2016)に捧げた曲で、この曲にだけガイヴォロンスキーが演奏に参加しています。 [CD紹介 PART 2:ファンシーミュージック] ファンシーミュージック(FANCYMUSIC)は、CLASSICAL、 CONTEMPORARY、 ELECTRONIC、 JAZZ、 POP、 ROCKWOディストリビュートしているロシアの多角的なレーベルです。 CONTEMPORARY(現代音楽)部門の看板といえば、アントン・バタゴフ(b1965)とウラジーミル・マルトゥイノフ(b1948)です。 5)「サマンタブハドラの祈り」:アントン・バタゴフ『The One Thus Gone/Anton Batagov』;Fancymusic(2017) まずバタゴフの1曲。この人の作風は多彩ですが、「サマンタブハドラの祈り」はチベット仏教に対する深い関心から生まれたもので、著名な祈りのテキストを使っているそうですが、ロック・カンタータと副題を添えています。演奏者をあげると、Alexander Manotskov: lead vocals、 guitar、 dryna / Asya Sorshneva: electric violin、 electronics / Sergey Kalachev “Grebstel”: bass guitar、 electronics/ Vladimir Zharko: drums / Anton Batagov: piano / plus Ensemble N’Caged。 どうでしょうか。ポスト・ミニマル+アルファーですかね? もう1曲バターゴフです。この人はかつて米国でラフマニノフのお墓を詣でた時に着想を得て、ピアノ作品集『Selected Letters of Sergei Rachmaninoffを作りました。今回のアルバムもきっかけは少し似ています。ニューヨーク州にあるNovo-Diveevo Convent and Cemeteryを訪ねた時に知った、マザー・セラフイナ(修道女)、Natalia Aleksandrovna Janson (1895 – 1988)の存在とその手紙から生まれ曲集とのことです。ラフマニノフ物も今回も、USAとロシアが絡んだ歴史に対する深い思いを曲にしたかったようですね。 さて、Novo-Diveevoの墓地には、1917年の革命後に出国した人がたくさん葬られているそうです。修道女ナタリアさんは1921年にレニングラードから出国し、タリン、ドイツを経て米国へ。ドイツにいた時の1941年に息子さんへ宛てた手紙が添えられています。曲は、バタゴフのファンが溜飲を下げるものです。 7)「生ものと調理品(The Raw and the Cooked)」ウラジーミル・マルトゥイノフ(作曲・ピアノ演奏)『The Raw and the Cooked』;Fancymusic(2018) マルトゥイノフのピアノ独奏曲の自演。約52分で1曲。安直にいえば、お得意の長尺ミニマル調です。レヴィ・ストロースの『The Raw and the Cooked』には、「音楽は,すぐに理解できるけれども他の言葉にして説明できないという矛盾した特性をもつ唯一の言語なので,音楽を創り出す者は神のごとき存在であり,音楽そのものは人知の最大の謎なのだ」という一節があるそうですが、それと関連があるかどうかわかりません。 [CD紹介 PART 3 :FancymusicとRainy Days Recordsジャズ盤] 去年、今年と、ファンシーミュージックはジャズの間口を広げたように感じます。みなさんはどうお感じでしょうか? 8)「アフロ・ブルー(Afro Blue)」:アンナ・マリア(vo)、ダリア・モルガチェヴァ(keyb、 etc)『Afro Blue EP/Anna Mia、 Daria Morgacheva』;Fancymusic(2019) ここ数年、アフリカ系米国人ロバート・グラスパーというピアニストでプロデューサー感覚のある若手が結構人気だそうですが、「アフロ・ブルー」という著名曲をカヴァーして大ヒットしました。その質感とちょっと似ているのが、Anna Miaと Daria Morgachevaのコンビのカヴァーです。この曲を手がけたのは、re-harmonised、 recontextualised目的とのことです。 ヤコヴェンコは結構若いピアニストです。トロイカという曲を演奏しているのではないです。piano+bass+drumsという編成に取り組み甲斐を感じているからだそうで、自身こんなコメントを書いています、「ピアノ・トリオ演奏はリズム面、ハーモニー面の両方の魅力がある。僕たちはメンバー間で対話をしながら、魅力を共有している。こうした演奏は、ビル・エヴァンス、キース・ジャレット、フレッド・ハーシュ、ブラッド・メルドー、アーロン・パークスによって発展してきた」。アルバムでは他にConfirmation、 Inner Pocket Content、 The Other Thing、 You Stepped Out Of A Dream、 Place Becomes Polar、 Donna Leeもやっています。そういうヤコヴェンコのジャズ演奏を評して、「he makes the spontaneous material sound like in a program of Schubert or Johannes Brahms」との評も出回っています。 10)「マサラ・ライフ(Masala Life)」:オレグ・グリモフ(alto sax)『Masala Life/Oleg Grymov』;Fancymusic(2018) グネーシン・アカデミー時代にアレクセイ・クルグロフ(b1979)と同級生(ともにアレクセイ・オセイチュクに師事)でしたから、40歳前後で、油が乗ってきたんだなあという音がします。クルグロフは若い頃から我が道を歩くことを最優先しましたが、グリモフは著名楽団を色々と経験し、売れているサックス奏者です。演奏の聴きどころを明瞭に示す人というか、プレゼンがうまい人といいますか。クルグロフがライナーノーツを書いています。曰く「人間の存在と文化的相互関係についての存在論的で審美的な問題に取り組んだ音楽だ」。 11)「アルゴ・リズム(Algo Rhythm)」:ジェーニャ・ストリガレフ(alto sax) &フェデリーコ・ダーネンマン(g)『The Change/Zhenya Strigalev & Federico Dannemann;Rainy Days Records(2019) 去年サンクトペテルブルに誕生したレコード・レーベル「Rainy Days Records」から、最近出たばかりのアルバムの1曲。レイニーデイズというレーベル名は、サンクトペテルブルクの気候由来だそうです。このレーベルは売れっ子のアレクサンドル(サーシャ)・マシン(drums)とその仲間を中心に売り出そうとしています。サーシャ・マシンはいまモスクワが拠点ですが、サンクト・ペテルブルク出身で、当地で腕を磨いていた時期の仲間がストリガレフ。その後、ストリガレフはロンドンのRoyal Academy of Music に留学し、卒後はニューヨークをベースにしています。すでに何枚かアルバムがあります。 米国で活躍しているロシア人ジャズ・ミュージシャンとして有名な人というと、かつてはダントツでヴァレーリー・ポノマリョーフ(b1943)でしたが、今はアレックス・シピャーギン(b1967)の人気度の方が高いかな? 二人ともトランペット奏者です。そのシピアギンに重用されているドラマーがサーシャ・マシン(b1976)。ロシアのジャズは国際水準なのだからもっと積極的にアピールしようと、自ら率先して動き始めたようです。Rainy Days Recordsはそれをあと押している。ブレーメンのジャズ見本市「jazzahead」で旗揚げのプレゼンをしたそうです。 オレグ・ヤコヴェンコやオレグ・グリモフのジャズを聞いた後でこのストリガレフを聞くとより一層「欧米」的に聞こえます。 12)「ジャズマシン(Jazzmashin)」:サーシャ・マシン(drums)『outsidethebox』:Rainy Days Records(2018) Rainy Days Recordsの旗揚げ第一弾となったサーシャ・マシンのアルバムから1曲。このアルバムには、先ほどのジェーニャ・ストリガレフをフロントに擁したカルテットと、別建で米国のアレックス・シピャーギン(tp)を迎えた曲とに分かれます。この曲はシピャーギン・カラー。シピャーギンの『new path』(ArtBeat Music)で歌っているフィンランドのヒスケ・オースターヴィーク(女性)をフィーチュアしています。 [CD紹介 PART 4 featuringアレクセイ・クルグロフ] 今回も小特集を。定番になってきました。それだけ録音物が多いのです。 13)「キャラヴァン(Caravan)」:ミカエラ・シュタインハウアー(vo)、アレクセイ・クルグロフ(alto sax)、ロマン・ストリャール(piano)『Talks Around Midnight/Michaela Stenhauer、 Alexey Kruglov & Roman Stolyar』;Fancymusic(2016) クルグロフはヨーロッパからツアーに来たヴォイスのインプロヴァイザーや、ヴォーカリストとの共演録音がいくつかあります。そのうちの1枚がこれで、ドイツのジャズ歌手ミカエラ・シュタインハウアーを立てたスタンダード曲集。他に「ラウンド・ミッドナイト」「あなたと夜と音楽と」「アローン・トゥギャザー」他といった超有名曲がずらり。クルグロフとストリャールのコンビが伴奏するとどんな風にしてしまうのだ?と気になりますよね。 2017年にモスクワの文化センター「ドム」で、Leo Recordsとゲーテ・インスティティテュートが提携して開催されたコンサート「Jazz in the Autumn」に出演して出会った4人の即興演奏です。タチアナ・コモーヴァは、著名なグループ「Second Approach」のメンバーです。秋に開催される「JAZZ ART せんがわ」に「Second Approach」が出演するとのことです。 アレクセイの妹さん、お父さんと演じたツルゲーネフ(1818-83)の「父と子」朗読劇がCDになりました。ツルゲーネフ生誕200年記念企画。ヴォーカルは妹さん。アレクセイは時にサックス複数本咥えて吹いてます。演劇、朗読を取り入れたマルチメディア、多領域横断のパフォーマンスが好きなアレクセイとしてはごく自然な発想で生まれた1作。クルグロフは舞台の役者としての勉強も続けているそうです。 エストニアの著名なピアノ奏者、トヌ(b1951)がロシア人と組んで作った2枚組アルバム。クルゴロフとしては珍しいジャズ録音のセッティングですが、自分の曲を4曲も取り上げてもらっています。その内の1曲「君のためのワルツ」は、自身のアルバムにmの入れたことがあります。他のメンバーはヴィクトール・シェスター(bass)、ピョートル・イヴシン(drums)。 17)「換喩(metonymy) ; 心臓(heart)」:アレクセイ・クルグロフ(sax)&アンナ・チェカーシナ(violin)『Metonymy/ Alexey Kruglov & Anna Chekasina』:Fancymusic(2018) ガネーリン・トリオのメンバーだったウラジーミル・チェカーシンの娘さんアンナとクルグロフの共演アルバムから1曲。Fancymusicのホームページに次のような無署名のテキストが載っています: 「有名なモスクワのミュージシャンでありパフォーマーのクルグロフとチェカーシナのデュエット。この二人は2002年にコラボレーションを始め、お互いのプロジェクトに参加してきた。二人のコラボの指向はといえば理論的には<インストルメンタル・シアター>に近く、それとともに文学的および音楽的パフォーマンスにも近いといった内容のプログラムをクリエイトすることである。 アルバムの構造は、即興のプログラム音楽であり、その部分にメトニミーが使われている(新しい血、舌、耳、心臓)。それぞれは、コンセプチュアルな作曲である。これらのメトニミーは、芸術的手段の比喩として機能するとともに、演奏者がクリエイトする上での道筋を示してもいる。そうした構造の中で、二人は独自の方法をとりながら即興芸術の美学を実践している。」 キーワードぽい言葉だらけです。要はガネーリン・トリオとウラジーミル・チェカーシンのプロジェクトを合わせたようなことをやっていると言いたいのだろうと推測いたします。 [CD紹介 PART 5:フォーク音楽] ハーディガーディ弾き語りの1曲を聴いていただきます。タイシヤ・クラスペヴツェヴァはセルゲイ・スタロスティンのお仲間の様子で、スタロスティンの色々なCDでも聞けます。彼女のソロ・アルバムがジャズ・レーベルから出たからといって不思議ではないのでしょう。ジャズとロシア民謡のミックスをやっているわけではありません。ロシアの古い民謡が好きな人にとって魅力満点のCDです。 19)「魂と肉体の分離について」『«Oh、 my brethren and sisters . . . » The Old Believers spiritual verses of Novgorod region』:Sketis Music(2016) ロシアの古い伝承民謡は奥が深くて、楽しみは尽きません。この曲は、民謡というより、民間伝承のロシア正教の宗教歌と言った方がいいのかもしれません。ノヴゴロド(ロシア北西部のノヴゴロド州)の古儀式派#の信者の農民の間で形成された宗教歌を集めたものであり、それを歌い継いで来た地域の人たちの録音集です。 [#:ロシア正教会における古儀式派 (Старообрядчество)とは、旧儀派・旧教徒・旧儀式派・分離派(ラスコーリニキ)とも呼ばれ、ニーコン(ロシア語版、英語版)総主教による奉神礼改革を嫌って1666年以降にニーコン(ロシア語版、英語版)総主教の率いる主流派から分離した諸教派の総称] [PART 6 :サンクト・ペテルブルクのサウンド(予習編)] 当日のプログラムの後半に、サンクト・ペテルブルクのフリーミュージック、インプロヴァイズド・ミュージックの状況をテーマにしたディスカッションが予定されていましたので、関連のCD音源を少し用意し、休憩時間中に少しですが流しました。 低音域リード楽器の達人ニコライ・ルバーノフ(Auktyon、Sax-Mafia他も)らによる面白い名前のグループによるフリージャズ。この名前のCDアルバムが4枚あり、それ先立ちカセット1本もあります。演奏者はほぼ固定。録音場所は、Gallery of Experimental Sound 21。演奏者は、Nikolay Rubanov (saxes、 bass clarinet)、 Mikhail Kolovsky (tuba)、 Vitaly Kucherov (guitar)、 Yury Degtyarev (bass)、 Alexey Ivanov (drums、 percussion、 electronics)、 Mikhail Bernikov (voice、 vocal、 recorder、 harmonica、 noise) 21)「The way」:ニコライ・ルバノフ(bass clarinet)、アレクセイ・ラーピン(piano)他『The Way』;Dom Records(2007) 今やラーピンはアンクト・ペテルブルクのインプロヴァイザー/コンポーザーとして著名な存在です。この10年以上前の演奏は近年と違って、かなりロマンティックです。 musicians: Nkolai Rubanov (bass cl)、 Vitali Zaltsev (tpt)、 Vladimir Shostak (bass)、 Helen Bledsoe (flute米国)、 Marcus Godwyn (drums英国)、 Alexey Lapin (piano、 musical and sound producer) . Recorded at Petersburg Recording Studio by Alexey Barashkin、 summer 2006. Mixed、 edited and mastered at A&S Recordings by Alexey Lapin 22)「美味 PART 8」:ヴャチェスラフ・ガイヴォロンスキー(trumpet)&ニック・スードニク『Delikatessen 2/Vyacheslav Guyvoronsky & Nick Sudonick』;Long Arms Records (2018)(録音は2007年) トランペットのガイヴォロンスキーと創作楽器のスードニクのデュオによる即興演奏集。2005年の『デリカテッセン』の続編。 23)「Session 16/10/2013」:ドミートリー・シュービン指揮サンクト・ペテルブルク即興音楽家オーケストラ『St. Petersburg Improvisors Orchestra』;c. 2014 St. Petersburg Improvisors Orchestra スードニクやガイヴォロンスキーにとって大事な活動場所として、「Experimental Sound Gallery (ESG 21)」があるわけですが、ここはドミートリー・シュービンが組織しているSt. Petersburg Improvisors Orchestraの活動拠点でもあります。2枚組CDアルバムが出ています。このシュービンと山田光さんは親しくなったとのことです。 24)「ソロモンの結び目#(Solomon’s knot)」:フィカス##&イリヤ・ベロルコフ(alto sax、 small electronics)『k(nо́)t/Phicus & Ilia Belorukov』;intonema(2017) サンクトペテルブルクのインプロヴァイザーの中で、若手のイリヤ・ベロルコフも今や屈指の存在です。intonemaというレーベルの運営も手がけていて、すでに30作ほど出しています。intonemaのホームページには、ロシアのインプロヴァイザーが人名辞典風に紹介されていてとても有用です。ぜひのぞいてみてください。 [#:ソロモンの結び目:知恵の輪みたいな模様。**Phicus: Ferran Fages (el-g)、 Alex Reviriefo (b)、 Vasco Trilla (drums)] 25)「サイクル (cycle)」:コンスタンチン・サモロヴォフ(drums、 objects、 radio、 voice recorder)、 アレクセイ・シソーエフ (no input mixing board、 max/msp、 ablaten live)『varietas/Konstantin Samolovov & Alexey Sysoev』;intonema(2018) intonemaの比較的新しいCDからno input mixing boardの演奏を1曲。モスクワ音楽院の出身者でジャズ・ピアニストになった人は何人かいますけれど、no input mixing board演奏家になった人は極めて稀でしょう。その人、アレクセイ・シソーエフ(1972)を1曲。 以上です。 (以上のお問い合わせ、並びに今後、公開研究会にご参加を希望する方のお申し込みは右記まで → torojazz2018@gmail.com) *山田氏のCD:「hikaru yamada hayato kurosawa duo」カンパニー社:cmpns-003 リリース年:2019年 販売価格:1,600円(+税) hikaru yamada : alto-sax hayato kurosawa : guitar yasushi okada : recording & mix narushi hosoda : liner notes haruka kudo : design 当CDの問い合わせは→ http://p-minor.com/?pid=142469608 #
by jazzbratblog
| 2019-07-31 15:20
| Post Kuryokhin Std.
心地よい季節となりました。 いかがお過ごしでしょうか。 さて、先日、公開研究会「ポスト・クリョーヒン・スタディーズ」の6月9日(日曜日)の概略をお知らせしましたが、詳細が決まりましたので、ここに再掲載します。日時、場所は変更ありません。 2019年6月9日(日曜日)PM6:00開会(JAZZBRAT主催) @Ftarri(水道橋) 参加費:1,500円 【話者】鈴木正美(新潟大学),中野 圭(大阪芸術大学),山田 光(即興演奏家),岡島豊樹(蒐集家) 【Q:ポスト・クリョーヒン・スタディーズって何?】 →A:ピアニスト、作曲家、指揮者、映画俳優、作家、思想家、すずめ語研究家、宇宙研究家、サボテン研究家他として、多方面で活躍したセルゲイ・クリョーヒン(1954-96)の類い稀な活動を記念して、彼を育んだロシア/旧ソ連の諸文化を多角的にリサーチする公開研究会です。ぜひお気軽にcome in ! 要予約→torojazz2018@gmail.com 【Q:どんなプログラム?】 →A:サンクトペテルブルク(2018秋)&モスクワ(2019初春)のリサーチ報告(クリョーヒン・センター他訪問、ライヴハウスチェック、美術館巡り、他)。現地入手CDから抜粋レビュー。ロシアに詳しい研究者、即興演奏家を迎えての座談会、さらにミニ・ライヴ演奏。 会場Ftarri:文京区本郷1-4-11 岡野ビルB1(金刀比羅神社の向かいのビル)地図は http://www.ftarri.com/suidobashi/ なお、当会場では飲物の準備はございませんので、ご自身でご用意ください。 #
by jazzbratblog
| 2019-04-21 11:08
| イベント告知
こんにちは。久しぶりに、ロシアの音楽(ジャズ、即興音楽中心)、アート、文学等の公開研究会「ポストクリョーヒン・スタディーズ」(2019年度第1回)を開催します。 日時:2019年6月9日(日曜日) PM 6:00開演予定 場所:Ftarri(水道橋) 内容の詳細につきましては、追って当ブログにて告知する予定です。 昨秋サンクトペテルブルク、今年3月モスクワをリサーチした鈴木正美氏(新潟大学教授)のレポートを中心に、楽しく開催できたらと計画しています。 #
by jazzbratblog
| 2019-04-06 01:44
| イベント告知
「Jazz Brat」第6号掲載分(2004年4月)Disc Review 「Jazz Brat」(2002年3月創刊のミニコミ誌)の第6号から拙著のディスク・レヴューを引っ張り出した。 第6号では、新たな連載「東欧~スラヴのサックス奏者探訪」を、ウラジーミル・チェカシン(Vladimir Chekasin)で出発させた。結構力を入れて書いた。 セルゲイ・レートフ(Sergey Letov)氏にも定期的に執筆をお願いして快諾を得られ、早速「ソヴィエト・ロシアにおける新即興音楽小史」をいただき、嬉しかった。この関連のまとまった記事はまだあまり世に出ていなかったので非常にためになった。 鈴木正美の新連載も開始した。題して、「極北の音を航海した男 ーレジツキイの思い出ー」第1回である。鈴木氏が敬愛してやまない、アルハンゲリスクのウラジーミル・レジツキイに関する真摯な論考である。 さらに、なんとなんと、当時知己を得た赤塚若樹氏から一筆、「イヴァ・ビトヴァー近況」を頂戴した。 さらにさらに、ルーマニア出身のサックス奏者ニコラス・シミオン(Nicolas Simion」と出会い、書簡形式のインタヴューが実現した。大変多くのことを教えていただいた。 こんな具合だったから36ページ建てとなって、コピー印刷・製本に手を焼いていた折、音楽ジャーナリスト・オーガナイザー・プロデューサーとして活躍されてきたモスクワのニコライ・ドミートリエフ(Nikolai Dmitriev)氏が4月10日急逝された。ドミートリエフ氏は1955年生まれ。日本とロシアをつなぐ信頼あふれるキーパーソンだった。レジツキイ、タラソフ、ミラーによるウラジーミル・トリオ、ヴャチェスラフ・ガイヴォロンスキーの日本ツアー他に同行し、3度来日された。近年はCDレーベル「Long Arms」やライヴハイス「ドム」のプロデューサーとして精力的だった。私は1992年秋、副島輝人氏、鈴木正美氏のお導きでモスクワ~アルハンゲリスク~ソロフキーを巡った時にニコライ・ドミートリエフ氏と出会い、インタヴューさせていただいた。 今の自分がしていることに直結する、決定的な方々が揃った号です。 お世話になった皆様に心から感謝している次第です。 ●東欧~スラヴのサックス奏者探訪 新連載第1回:評伝 ウラジーミル・チェカシン[岡島豊樹]Vladimir Chekasin : biography & discography........by Toyoki Okajima ●ソヴィエト/ロシアにおける新即興音楽小史[セルゲイ・レートフ]Brief history of New Improvised Music in Soviet/Russia...by Sergey Letov ●新連載 極北の音を航海した男-レジツキイの思い出-第1回 [鈴木正美]A guy who navigated through the sound in the far-northern land : new series 1…by Masami Suzuki ●イヴァ・ビトヴァー近況[赤塚若樹] Recent Iva Bittova...by Wakagi Akatsuka ●ニコラス・シミオン(ルーマニア)・インタヴュー[岡島豊樹]Interview with Nicolas Simion from Romania ●Disc Review [岡島豊樹]by Toyoki Okajima:Jazz, folk & other music:レシェク・モジュジェル/トマシュ・スタンコ/ヴァレンチーナ・ポノマリョーワ&ユーリ・クズネツォフ/セルゲイ・クリョーヒン=ウラジーミル・ヴォルコフ=ケシャヴァン・マスラク/アレクセイ・アイギ/アンサンブル3分44秒/ファンファーレ・チオカリーア/コソヴォ・ジプシー/他 【Disc Review】(2004) Leszek Mozdzer『Solo in Ukraine』(Gowi CDG 59)CD, Poland/Jazz, 2003年発売 ●personnel:Leszek Mozdzer (piano) solo, recorded live in Ukraina , 2000 & 2001 ●tracks:1. Mazurek OP. 33 Nr2 2. Wyzwnia, Etrologi 3. Mazurek OP33 Nr2 4. Bioli 5. No Message 6. Mazurek OP. 24 Nr1 7. My Secret Love/Preludium 26 8. Maiden Voyage 9. Mazurek OP. 17 Nr14 ポーランドの若手ピアニスト3傑の1人と私考えておりますレシェク・モジュジェルのソロ・ピアノによるライヴ盤。ショパンのマズルカのジャズ的解釈5曲、ハービー・ハンコックの「処女航海」、そしてオリジナル。どこから聴いても、キラキラ輝きながらメロディアスなフレーズが溢れ出てきます。2ではピアノ弦に何か置いてのいわゆるプリペアードですが、実験臭皆無のところが逸材の証明。超絶技巧と冒険心をどんどんアピールしながらも、楽しい驚きとして受け取らせてしまうのがモジュジェルの良いところ! ●personnel:Leszek Mozdzer (piano) , Adam Pieronczyk (tenor sax, soprano sax, etc), recorded live in Ukraina, 1999 ●tracks:1. Song of the Sunkentown 2. Biali 3. Level 700 4. Tell me anything about your life, Mr. Buck 5. For Walter こちらはレシェク・モジュジェルがポーランドの若手テナー屈指の1人アダム・ピエロンチクとデュオで演じたライヴ盤。ソロ盤もこれもウクライナでの演奏。何の打ち合わせもなくステージに上がったそうですが、ほんとうなの? ほんとうみたいで、すごい集中力! 特にモジュジェルの呼応の仕方は繊細の極致というやつです。モジュジェルの珠玉のリリカル・アルペジオで始まり、やがて2人が夢幻的なヴィジョンを描く2(約15分)にとりわけ感激しました。1曲の演奏はどれも長いですけど、それ相応の変化があり、名場面の連続。 Tomasz Stanko Quartet『Suspended Night』(ECM 1869)CD, Poland/Jazz, 2004年発売 ●personnel:Tomasz Stanko (trumpet), Marcin Wasilewski (piano), Slawomir Kurkiewicz (bass), Michal Miskiewicz (drums), recorded in 2003 ●tracks:1. Song for Sarah 2-11. Suspended Variations I~X トマシュ・スタンコはポーランド・ジャズ界のスーパースターと断言して良いでしょう。その最新作は、前作と同様、“Simple Acoustivc Trio”の3人を丸ごと含んだレギュラーグループによる演奏です。バラード曲が多いです。ロング・トーンの多い中に、微細な揺らぎやハスキー・トーン等によって絶妙のニュアンスを醸し出すスタンコ。結構なお年のはずなのに、文字通り健在。どの曲も抒情的な旋律を持っており、全体的に前作よりだいぶとっつきやすいです。マルチン・ヴァシレフスキ(ピアノ)も持ち味発揮。 V.A.『Jazz Impressions of St.Petersburg』(Memo Music MM 6134) CD, Russia/Jazz, 2002年発売 ●personnel:Anakonda Project: Igor Timofeev (tenor sax), Pavel Chekmakovsky (guitar), Andrei Kondakov (keyboards), Sergey Ananiev (keyboards, drums, proguramming) / Soft Emotions: Andrei Kndakov (piano), Dmitry Kolesnik (bass), Alexandre Mashin(drums) / Intrjazz Quartet: Oliver Ker-Ourio (harmonica), Christian Scheube r(drums), Dmitry Overchenkov (bass), Andrei Kondakov (el-piano)/ & other groups ●tracks:1. Broadway At Night 2. Estate 3. Ca c'est bon 4. Blues 5.Do Nothing Till You hear From Me 6. Thank you Thank you 7. Children's song 8. The Openess of two in three 9. Second African 10. Daylight Photograph 11. Autumn, etc. (all 14 tracks) サンクトペテルブルクを地盤として活躍しているロシア(系)ジャズ・グループの演奏を集めたオムニバス。名ピアニストのアンドレイ・コンダコフが絡んだグループが多いです。イーゴリ・ティモフェエフ、アンドレイ・グレエフといった筋の良い万能型サックス奏者も顔を出しています。親しみやすいメロディの曲が大半です。コンダコフらのリリカル・トリオの3がその極み。しかし、コンダコフ、アルカージィ・シルクロペル、ウラジーミル・ヴォルコフのグループによる8、ヴォルコフのトリオによる9は他と明らかに異なる曲趣です。 Valentina Ponomareva & Yuri Kuznetzov『Avant-garde Romance』(Boheme CDBMR 303270)CD, Russia-Ukraina/Jazz +α, 2003年発売 ●personnel:Valentina Ponomareva (vocal), Yuri Kuznetzov (piano), recrded live 美貌の天才歌手として華麗な活躍を繰り広げてきたロシア・ジプシー歌手の最高峰、ヴァレンチナ・ポノマリョーワの最新アルバム。オデッサを地盤とするピアニストのユーリイ・クズネツォフの伴奏によるデュオ・ステージを収録。「アヴァンギャルド・ロマンス」とは巧く表したものです。ポノマリョーワはジプシー民謡・歌謡にとどらまらず、ポップス、ジャズ、前衛音楽でも輝かしい足跡を残してきました。幼女から老婆まで、恋する乙女も淑女もあばずれも、声で多彩に演じわけることのできる人です。そして、大好きな即興ヴォーカルでそれをやったときの驚きを、皆さんにもぜひ経験して欲しいです。ユーリイはロマンティック・ピアノの名人として定評がある人。スティーヴン・キングもここまで思いつくかあやしいくらい、幻想と悪夢が万華鏡のように入れ代わる唯一無二のショウ! Vladimir Volkov, Sergey Kuryokhin, Keshavan Maslak『Jet Lag』(Solyd SLR 0298) CD, Russia-USA/Jazz, 2003年発売 ●personnel:Vladimir Volkov (bass), Sergey Kuryokhin (piao, keyboards, voice), Keshavan Maslak (saxes, guitar, voice), recorded 1996* & 1997 ●tracks:1. Drem number 1 (Volkov out)* 2. Maslak's dream (Maslak out)* 3. Duet (Kuryokhin out) 4. A dream for two (Volkov out)* 5. Double bass double (Kuryokhin & Maslak out) 6. Jet Lag* 7. I see (Kuryokhin out) 8. I remember your shoes (for Sergey) (Kryokihin out) 9. Dream number 4 (Volkov&Maslak out)* ロシアのピアニスト・作曲家セルゲイ・クリョーヒンのファンの皆様、お待ちどうさま。これは、既発・初登場音源を合わせた8タイトルのシリーズによって、彼が天才・鬼才・異才と派手な称号の数々を寄せられている理由を明確に証明してくれたソリド社による、クリョーヒンの最晩年の演奏を入れたCDです。ソ連時代から卓抜な音楽を連発して淀むことのなかったクリョーヒンは、残念ながら1996年に42歳で、進行中の計画をいくつも抱えたまま息を引き取りました。その前年の秋、「即興演奏からノイズまで究極・最高の音楽のためだけの、究極のノン・コマーシャルなレーベルを作りたいんだ。レーベル名はヴェルディのオペラからとって『トラヴィアータ』にして、ロゴマークには絶世の美女をあしらうんだ」と祝福をおねだりするような茶目っ気たっぷりの仕種で青写真を披露してくれた姿が忘れられない。「第1弾は僕とケシャヴァン・マスラクのデュオの予定だ。今年一緒にツアーして良い感じだったし、来年1月にケシャヴァンの住んでいるフロリダで音をまとめて、またあちこち回って日本にもまた来るよ」。しかしトラヴィアータも美女ロゴも幻となった。ケシャヴァンとのデュオの録音は翌96年に世に出たものの、クリョーヒンはすでにこの世の人ではなかった。 ケシャヴァンはUSA生まれのサックス奏者で、熱情ほとばしる吹奏が醍醐味というイメージが一般的には先行していますが、ときにダダ的な所作や詩の朗読も交えます。ポリスタイルの演奏を特徴とするクリョーヒンにとってそうした多面性こそ歓迎すべきキャラクターでした。95年に2人が日本で披露した歌あり、詩朗読もありでジャズ、ノイズ、パフォーマンス含みのステージの珍無類なことときたら衝撃的でした。このCDの中のデュオによるトラック(1、4、6)からあの夜の演奏を偲ばずに入られません。聴いた後には、得難い才能が消滅した喪失感に打ちのめされることも避けられない。 トラヴィアータの青写真に含まれていた他の企画には、かつて映画/演劇用に作った音楽のアップデートを画策したオペラ・プロジェクトがあります。死後Long Armsから出た『ジャスト・オペラ』はセルゲイ本人の残したプロットに即して、友人であり共演者だったガイヴォロンスキーが仕上げたものです。そこに入っていた1曲「最後のワルツ」のアップデイト用スケッチが、この『ジェット・ラグ』の9曲目でしょう。かすかに聴こえる裏声はクリョーヒン自身のものでしょう。 クリョーヒンが企画・プロデュースを務めたヴャチェスラフ・ガイヴォロンスキーのトランペット・ソロ・アルバムはLong Armsから『フォー・セルゲイ』として死後にリリースされています。そのガイヴォロンスキーと組んだ「レニングラード・デュオ」によってソ連時代から名高いコントラバスの名手が、ウラジーミル・ヴォルコフです。クリョーヒンとも長年の音楽仲間でした。ここで聴けるクリョーヒンとのデュオ・トラック(2曲目)は、水もしたたるロマンスや、テレパシー的なまでの合致や、幼児的な移り気などが去来し、優美かつトラヴィアータな香りもする即興演奏です。このヴォルコフの絡んだものもトラヴィアータの企画に入っていたのかもしれないと考えています。 なお、3、7、8曲目はクリョーヒン没後の97年に行われた追悼追悼ライヴから選ばれた演奏です。 Mihaly Dresch『Quiet as it is』(BMC CD 035)CD, Hungary/Jazz with folk, 2001年発売 ●personnel:Mihaly Dresch (tenor & soprano sax, flute, vocal), Ferenc Kovac (violin, trumpet), Balasz Unger (cimbalom), Matyas Szandal (bass), Istvan Balo (drums) ●tracks:1. Seesaw 2. Put it out! 3. "Gyimes" impression 4. The river Tisza 5. The Great Plain... sorrowful 7. Sorrow, sorrow 「ハンガリーのフォーク音楽とジャズを結び付けて成果を上げた功労者」ということで評価絶大のミハーイ・ドレシュの比較的新しいアルバム。自国の著名な振付師の作品に用いられた曲集とのことです。かつて独特のリズムに誘われてふわりと宙に浮いたような気分になった「Put it out!」に味をしめて、この人のアルバムを随分集めました。その曲をこのCDで別編成で聴けただけでも上機嫌。舞踊に使われたという情報に納得です。ドレシュについては日本盤『Zeng A Lelek』(ビーンズ BNSCD-870 )の拙著ライナーノーツをぜひご参照ください。 Alexei Aigui & Dietmar Bonnen『Black Water』(Solyd SLR 03555)CD, Russia-Germany/Avant-pop, 2003年発売 ●personnel:Alexei Aigui (violin), Dietmar Bonnen(piano), Denis Kalinsky (cello on 4 & 8) recorded in 2002 ●tracks:1. How could I be such a fool 2. Let's make the water turn black 3. Sofa 4. The idiot bastard son 5. Oh no 6. Black napkins 7. Mom & dad 8. The Sheik yerbouti tango 高名な詩人ゲンナジィ・アイギを父にもつロシアの音楽家アレクセイ・アイギ(ヴァイオリン)がフランク・ザッパの曲をカヴァー。形はピアノ伴奏によるヴァイオリン・ソナタ風、演奏はザッパの主題に基づく変奏曲といった風情で、正調クラシック風の弾き方から、突然変容したり戻ったり。ジャズ的変奏も意識されていると思われる。前衛、ポップ、フォーク、クラシックなど雑食的に取り込みながら、けっこうトレンディでアクセサブルなサウンドをクリエイトしてきたアイギとしては、一度は手がけたかったその道の大先輩の音楽だろう。 Ensemble 4'33"『Mix』(Solyd 0354), Russia/Avant-pop, 2003年発売 ●personnel:Alexei Aigui (violin, electronics, Glockespiel), Dnis Kalinsky (cello), Andrei Gocharov (trumpet, flugellhorn), Erkin Yussupov (trombone), Sergey Nikolsky (bass), Andrei Romanika (drums), Arkady Marto (synthesizer, piano, kalimba), Mikhail Spassky (keyboard), Mina Agossi (vocal)s & others, recorded in 2002-2003 ●tracks:1. Why don't you right 2. Petit matin 3. Marakaraka 4. Les Robots favoris de Louis XIV 5. Finistere 6. Nexango 7. Goutte de miel 8. Why me? 9.Post “4分33秒”という名のグループを率い、現代ロシアのアヴァンギャルド音楽のホープとして熱い注目を浴びていたアレクセイ・アイギですが、けっこうキャッチーなことも手掛けるこの頃です。同グループとしてのこの新作は、ジャズ~フョージョン+プログレ的なカラー濃厚。けだるいキャラクターのヴォーカルを表に出していますが、曲はロマンティックなメロディのものが多く、すっと入って行けます。ただ、ロシア以外の音楽も聴き漁っている人の耳には、いつかどこかで馴染んだ音もいろいろ聴こえるかもしれませんが、味付けは独特です。 ●personnel:Oprica Ivacea (clarinet, alto sax), Ioan Ivancea (clarinet, vocal), Costica "Cimal" Trifan (trumpet, vocal), Radukescu Lazar (trumpet, vocal), Nicusor “Pusac" Cantea (trumpet), Daniel Ivancea (alto sax) , Constantin "Sulo" Calin (tenor horn), Laurentiu Mihai Ivancea (baritone horn), Constantin "Pinca" Cantea (tuba), Monel Trifan (tuba), Costel "Gisniac" Ursu (large drum), Nicolae Ionita (percussion) + guest: Dan Armeanca (vocal on 2, 3 &9), The Bulgarian Voices Angelite (chorus) ●tracks: 1. Doina, 2. Wild Silence, 3. Iag bari, 4. Fusty Road, 5. Lume Lume, 6. Jocul Boldenilor, 7. Hora Din Petrosnitza, 8. Banatzeana, 9. Tu Romnie, 10. Moliendo Cafe, 11.Balada Lui Ioani, 12.Besh O Drom, 13. Hora Andalusia, 14. Hurichestra, 15. So Te Kerau ?, 16.Hora Lautaresca, 17. Ginduri De Om Batrin, 18.Bubamara, +19. (video track) Manea Cu Voca 息詰まる程のスピードなのに、この躍動感と重量感! 身悶えを禁じ得ない位の哀愁と色気までも併せもったジプシー・ブラスの最高峰が織り成す究極のバルカン・ダンサブル・ミュージック!......音楽につられて景気のいいキャッチを書いてしまいました。ジプシー・ブラスが得意とするのは、哀愁を帯びた旋律をえぐいほどにメランコリックに奏でることと炸裂するエネルギッシュな演奏との鮮烈なコントラストの付け方です。底なしの悲哀の描写から、底抜けの喧噪的カーニヴァルまで奏でて人心にダイレクトに訴えることが宿命なのです。「民族のモザイク」と呼ばれるバルカンで成功するための絶対条件と言えるかもしれませす。そうした音楽的振幅の大きさの中で、どのあたりに特色を持つかで、どのバンドも個性をアピールしています。このルーマニアのジプシー・ブラスバンド“ファンファーレ・チォカリーア”は、「ジプシー・ブラス界最速」と定評がある通り、ハイ・スピードを誇り(200 beats per minutesまで可能)、なおかつダイナミックなリズムの躍動と切れ味の鋭さを失わないアンサンブル・ワークが最大の武器。バラードでの哀愁モード120パーセントというのは、だいたいのバンドができますが、躍動感と重量感も合わせ持ったハイ・スピード・プレイを実現できるバンドは多くはありません。西欧公演ではどの会場でも若者は踊り狂うか痙攣状態で、みんなほとんどトランス・モード。そんな噂は2000年の日本初来日公演によって現実化したことは今もって語り種。私は聴き逃し地団駄踏むこと4年。しかし2004年夏(8月21~29日)来日と聴いて救われた思いがします。今までアルバムを出すたびに世界中で大絶賛さたファンファーレ・チォカリーアです。中でも、ビデオ・トラックがボーナスとして付いた本作(火を吹くブラスの意味)は、スピードの中の洗練度を増しつつ、祝祭感の絶頂へ導く手口もますます巧妙化し、さらにルーマニア・オリエンタル・ポップのゴッドファーザーとして名高い歌手ダン・アルメアンチャ(Dan Armeanca)(ルーマニア版シャバン・バイラモヴィッチ!)や、ブルガリアン・ポリフォニー・コーラスの最人気グループ「アンジェリーテ(Angelite)」がゲスト参加もあり彼らの最高傑作として早くも評価が定着してます。 ●personnel:many Roma musicians' group in Kosovo, recorded in 1984-1991 ●tracks:1. Music fir horse races 2. Female music 3. Mastika 4. Zapevala sojka ptica 5. Instrumental prelude 6. Lament 7. Ilahija 8. Phuro Hamze 9. Talava 10. Amplified Talava 2. Dada sale 12. Improvisation 13. Female song medley 14. Turkish medley 15. Ati Rahegi Bahare 16. Lambada in 18. Lambada 最近またキナ臭い騒ぎが発生してしまったコソヴォのロマのフィールド録音集です。私はこのCDを渋谷Towerで買いました。エミール・クストリッツァの映画をいくつかご覧の方はこのカヴァー写真を受け入れることでしょう。買って大急ぎで帰宅して聴いたとき、私は震えました。クストリッツァがロマ(ジプシー)音楽家を画面に引っぱり出した理由が少しわかった気がしました。ぜひ聴いてください。音楽を正業とした人たちの長い歴史に関心のある人にとって重大な音源、と言ってしまいます。ユーラシアの音です。 Jony Iliev Band『Ma maren ma』(CD-ATR 0102) CD, Bulgaria/Roma music, 2002年発売 ●personnel:Jony Iliev (vocal), Boril Iliev (alto sax, clarinet), Stojan Stojanov (guitar), Martin Lubenov (accordeon), Ventsislav Radev (drums), Jovan Torbica (bass) + guests: Stoyan Yancoulov (percussion), Ateskan Useinov (guitar), Marx Marcov (guitar), Nico Lippolis (percussion), recorded in 2002 ●tracks:1. Arizona 2. Godzila Intro 3. Godzila 4. 17:50 5. Ma maren ma 6. Nasfalilo 7. Gypsy's kolo 8. Ma Rov 9. Nadire 10. Gaida cocek 11. Mig, mig 12. Ma devla 13. Ma maren ma instrumental けっこうな2枚目ジョニー・イリエフはブルガリア・ジプシー歌謡界の若手人気株。どんな声を想像しますか? シャバン系の渋い声で歌うことが多い中に、しばしば別人のクリアーなテノールの声が絡んでくるように感じることがあるんですが、これもイリエフ。かなり表情豊かな歌手です。アレンジも多彩です。アラブ歌謡、トルコ歌謡との線引き不可能。アルトサックスでは場末のひなびたプレイのボリルが、クラリネットになるとフラクタルな魅惑のブシまみれのプレイになるのも聴き物。アコーディオンのマルチンも綾なすコブシ装飾。 ●personnel:Nedko Dereuvski (clarinet, sax, kaval), Dimitar Lavtchev (gadukla, tambura, tarambuka, percussions), Atanas Mokolov (cimbalom), Spas Popov (accordeon), Stoil Stoilov (tambura, tarambuka), Maria Stoyanova (gaida, vocal), Nikolay Stoynov (kaval), Danka Tzvetkova (vocal) ●tracks:CD-1; 1. The wind of the Dnube 2. Wallachian suite 3. Maritu doro 4. Baro Havasi 5.Meka / CD-2; 1. Thracian suite 2. Maria's tune 3. Oriental suite 4. Aftentik melodi 5. Vioko これは私がブルガリアのフォーク系音楽やジプシー音楽を聴くと、つい参照したくなるCDです。ブルガリアのクラリネット奏者でパパソフ以外で最近話題になったスウェーデンのポリスタイル・クラッシュ・グループ(勝手にそう呼んでます)“ファーマーズ・マーケット”の一員として初来日に同行したトリフォン・トリフォノフ(また来日します)。彼は80年代に同国で人気を博したフォーク=ジャズ・アンサンブル“プロヴディフ”の中枢でした。ジャズの心得もあり、サックスとクラリネットの兼任でしたが、やっぱり上記イリエフのメンバーのボリルと同じことが言えるのです。変拍子でも装飾しながら疾走する技の凄みと、憂愁の極みのバラードでも絶品のコプシをつけた名人芸を披露することが当たり前という風情の演奏なのでした。彼らはモダン・アレンジなのだ(だから悪いという意味ではないですよ!)ということが、このCDを聴いてわかります。このグループの編成は若者中心で、ブルガリア各地に伝わる音楽を、過剰なアレンジをしないで演奏しているとのこと。真摯にブルガリアの音楽を腑分けした、いわばブルガリア音楽解体新書といったところですかね。魅惑のコブシや猛スピードの変拍子演奏はあまりないかわりに、オリエンタル調が大変印象的です。お試しを。 以上。 #
by jazzbratblog
| 2018-12-16 10:28
| Jazz Brat(マガジン)抄録
12月上旬に、リトアニアの最重要ミュージシャンとの評価があるリューダス・モツクーナス(saxes)さんが来日します。白楽のBitches Brewや新宿ピットイン等でもライヴが行われますが、それとは別途、私達「新東欧音楽紀行」「ポスト・クリョーヒン・スタディーズ」の仲間である、ギター奏者の吉本裕美子さんも一晩、阿佐ケ谷にて、ライヴ+ミニ・トークのイヴェントを組みました(12月10日)。 演奏、ミニトーク、演奏、という進行です。 ミニ・トークでは当ブログ管理者が聴き手を務めます。盛り上げたく、皆様にご案内をさせていただきます。 以下に、詳細ならびにチラシを添えました。 Liudas Mockūnas at Yellow Vision, Asagaya / Live and Talk 即興・ジャズ・クラッシックなどあらゆる分野で活躍、リトアニア音楽 シーン最重要ミュージシャン、リューダス・モツクーナス5年ぶりの来日 12月10日(月曜日) 会場:阿佐ケ谷のYellow Vision PM 7:30開場、PM 8:00開演。予約:2,000円+drink、当日:2,300円+drink。 予約:yellow_vision@lake.ocn.ne.jp Tel. 03-6794-8814 問合せ:yumiko.yoshimoto@gmail.com プログラム: LIVE(トーク前・後) リューダス・モツクーナス (reeds) from リトアニア マルコス・フェルナンデス (drums, etc.) 吉本裕美子 (guitar, daxophone) TALK「リトアニアにおける創造的音楽のエネルギー源とは」 リューダス・モツクーナス × 岡島豊樹(東欧ロシアジャズの部屋) 日英通訳:マルコス・フェルナンデス 出演者等紹介: リューダス・モツクーナス Liudas Mockūnas :サキソフォン、クラリネット奏者。作曲家。1976年リトアニアのパネヴェジース生まれ。 8歳よりクラリネットを始め、ウラジーミル・チェカシン(元ガネーリン・トリオ)に師事。 リトアニア国立音楽・演劇アカデミー、コペンハーゲンのリズミック・ミュージック音 楽院卒。高度な技術と型破りな奏法で即興、フリー・ジャズ、ビッグバンド、クラシック (リトアニア交響楽団に在籍)までジャンルを問わず活躍。国内で後進の指導育成に 尽力する他、国外のミュージシャンとのグループでも数多く演奏し、リトアニアのジャズ 大使とも呼ばれる。リーダーバンドMockūno Nuclear、Traffic Trioの他、ウラジーミル ・タラソフ、マッツ・グスタフソン、マルク・デュクレ、ステファン・パスボーグ、宝示戸亮二 などと共演。ステファン・パスボーグとのアルバムでデンマークのJazz Discovery of the Year 2004受賞、また個人ではLithuanian Jazz Culture(2006)、リトアニア 音楽家連盟のThe Golden Disc(2008, 2011)など受賞している。 http://www.mic.lt/en/database/jazz/composers-artists/mockunas/ マルコス・フェルナンデス Marcos Fernandes:横浜で生まれたマルコス・フェルナンデスは、カリフォルニアで30年以上、パフォーマー、 プロデューサー、キュレイターとして過ごしました。米国、カナダ、メキシコ、香港、日本の 各地で、ソロのインプロバイザー、フォノグラファーとして公演し、またパーカッショニ スト、サウンドアーティストとしてさまざまなアンサンブル、ダンサー、ビジュアルアーテ ィスト達と共演してきました。フェルナンデスの作品はAccretions、Circumvention、 Disk Union,、EnbanLess Than TV、他から50点以上発表されています。現在の プロジェクトはアーゴノーツ、メルト、TNBT、国際オバケ連合、ザ・メタファーズ、他。 http://www.marcosfernandes.com/ 吉本裕美子 Yumiko Yoshimoto (guitar, daxophone) :東京生まれ。ロックバンドの活動を経て、2006年より越後妻有アートトリエンナーレ のヒグマ春夫パフォーマンスへの参加をきっかけにエレクトリック・ギターの即興演 奏を開始。Water Tower Art Fest 2016(ブルガリア)他、これまで国内外15カ国 30以上の都市にて演奏。ダンスや映像、朗読など他ジャンルとの共演も多い。 『白昼夢』(山田勇男/8ミリ/2008年)他の実験映画に音楽を提供。2016年、リトアニ アのミュージシャンとのトリオによるCD「Yoshimoto/Griciute/Mikalkenas」 (Sculdubuldu)発表。ホイミ、冬虫夏草などのバンドに参加。 https://yoshimotoyumiko.blogspot.com/ 岡島豊樹: Toyoki Okajima 旧ソ連諸国、東欧、中欧のジャズを観察。 季刊時代の「ジャズ批評」誌編集長(80年代~90年代)。オデッサへの手紙 http://musicircus.on.coocan.jp/odessa/ 阿佐ヶ谷 Yellow Vision: http://www.yellowvision.jp/ JR阿佐ヶ谷駅北口徒歩1分、高架ホーム脇の通り沿い 杉並区阿佐ヶ谷北2-2-2 阿佐ヶ谷北2丁目ビルB1 1 min. walk from Asagaya St. (JR Line) Asagaya 2chome Bldg. B1 2-2-2 Asagaya-kita, Suginami-ku, Tokyo Tel. 03-6794-8814 E-mail: yellow_vision@lake.ocn.ne.jp #
by jazzbratblog
| 2018-11-21 09:50
| リトアニアからの風
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