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クリスクロス(Criss Cross)という世界的に市場をもっている有名なジャズ専門レーベルから、モスクワで活躍するヤコヴ・オクン(Yakov Okun)のリーダー・アルバム『New York Encounter』が今年発売になったばかりだ。クリスクロスはニューヨークを拠点にして活動している有能な若手ジャズ・ミュージシャンのアルバムを沢山作ってきたが、ロシアのミュージシャンのものは珍しい。昔からロシア方面のジャズを聴いてきた人であれば、ミハイル・オクン(Mikhail Okun)の身内の人か?と考えるだろう。正解です。ソ連時代に大活躍したそのピアニストの息子がヤコヴである。 ヤコヴ・オクンは1972年6月生れ。リーダー・アルバム制作の機会には恵まれなかったが、才能の程はかたり伝えられてきた。輝かしいキャリアもある。イーゴリ・ブートマン(サックス)、ヘルマン・ルキャーノフ(フリューゲルホーン)、アレクセイ・ロストツキー(ベース)といったロシア・ジャズ界の有数の大物をバックアップしてきただけに、忙しかったというところだろう。大物たちの曲を解釈するヤコヴの演奏からは、幅広いジャズの「語法」を身に付けていることは明らかで、つねに注目を余儀なくされてきたものだ。ごく最近も、ロストツキーのトリオ(p+b+dr)によるムソルグスキーの「展覧会の絵」のトリオ解釈盤で、さらに株を上げたばかり。『New York Encounter』は、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、デューク・エリントン、ファッツ・ウォーラーの曲をとり上げた他にも、エリック・ドルフィーやセロニアス・モンク、オーネット・コールマンに深い関心を寄せてきたことがうかがわれる演奏もある。表向きはジャズの偉人伝企画、中味はジャズの巨人の音楽に対する自分なりの意見を世界に問うという気概があったと想像される。大方の期待に見合う、かなり聴き応えのあるアルバムだ。 『New York Encounter』のライナーノーツもとても楽しい内容だ。筆者のTed Panken氏はヤコヴにしっかり取材し、引用している。ソ連時代のこと、父ミハイルがもっていたジャズ・レコードのコレクションをヤコヴはどんどん聴いていく中で、エリントン盤、ホレス・シルヴァー盤、エリック・ドルフィーとジャキ・バイアード入りのチャールズ・ミンガス盤が大好きになったという。父からもらったビル・エヴァンスの「One for Helen」のトランスクリプションをさらったのが、ジャズにのめり込む決定的なきっかけになったという。父ミハイルがソ連国営時代のメロディヤ社から出したアルバムはしばしば「ロシアのビル・エヴァンス」と形容されたものだったことを思い出す。ミハイルもがんばってジャズ・レコードを収集し、中でもビル・エヴァンスを研究したことがこれで決定的になった。他にも、興味深い話題が幾つも記されていて、楽しく読めると同時に、ヤコヴのアルバムがもっともっと作られることを願わずにいられなくなるだろう。
by jazzbratblog
| 2011-03-27 12:39
| ピアノ・トリオ (Rus)
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