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ジャズでもアートでもシアターでも文学でも、とにかくロシア/旧ソ連諸国の現代カルチャーに興味がある方々の集いの場、「ポスト・クリョーヒン・スタディーズ」は、近く5月9日(土曜)の開催される予定です(既報)。 そのときCD紹介コーナーの一部を担当させていただくワタシですが、準備をすすめましたところ、1年前(2014年5月17日)の開催時のときの延長線上の話題も多く含めることになりそうな見通しですので、そのときお話した内容の概略をここに記すことにします。 覚え書き(去年2014年5月17日開催時のダイジェスト) ヴャチェスラフ・ガイヴォロンスキイ、アントン・バタゴフ、セルゲイ・ザグニイ、ウラジーミル・マルトゥイノフなどに関心の強い方は先刻ご承知でしょうが、ジャズ、ニュージャズ、インプロ、コンテンポラリー・クラシカルをリリースしてまだ1年少々というのに「ファンシーミュージック(FANCYMUSIC)」というレーベルの猛ダッシュが続いています。故ニコライ・ドミートリエフ氏(モスクワの総合アート・スペースの創立者)が始めたLong Armsの新譜が減った分をかなり補うようなアーティスト&レパートリーの態様を呈しているのがこのレーベルです。著名なアーティスト、作曲家の新作の他に、若手の注目株を押し出しているのも大歓迎です。 ジャケが一見ECMタッチです。こんなふうに自己紹介しています。「FANCYMUSIC is a record label focused on contemporary new music recordings. It is a broad platform for a wide variety of contemporary new music composed by different russian musicians. FANCYMUSIC is also a platform on which newer names may be encountered.」 ホームページでは文字情報も多く、しかもサウンドクラウドを導入して無料で数曲を、ときにアルバム丸ごとを聴けるようになっています。大盤振る舞いです。 「アート・ビート・ミュージック(Art Beat Music)」の勢いも目立っています。アート・ビートは2011年から続々とジャズ、フュージョンのアルバムを豪華パッケージでリリースしています。名声を確立したベテラン、たとえばアレクセイ・コズロフ(アルトサックス)、ゲルマン・ルキャーノフ(フリューゲルホーン)、アレックス・ロストツキイ(ベース)のアルバムも出しますが、若手のアレクセイ・クルグロフ(アルト・サックス)の2枚組アルバムもリリースし、その後、有能な若手にも積極的に門戸を開いている様子。豪華パッケージから、よほどのジャズ好きのお金持ちが資金提供しているのかなと想像してしまいますが、実は非営利目的の人道的プロジェクトだそうで、コズロフが代表です。 今日は、このレーベルのアルバムをいくつかフォーチュアします。 ■ファンシーミュージックが推す若手群 ① ライヴ・ピープル・カルテット『The New Cities』FANCY 032 「NEXTBOP」を標榜しているグループです。モスクワの作曲家、インプロヴァイザーのナタリア・スクヴォルツォヴァ(ピアノ、キーボード)がリーダー。2009年結成。サックス、ピアノ、ベース、ドラムス。凝ったテーマで、冒頭からぐいっと関心を引きつけてくれる表題曲「The New Cities」をどうぞ。このグループを結成する前のナタリアは実験的な音楽をやっていたらしいです。 ②プリョート・アンサンブル(ensemble ready)『Present Continuous』FANCY こちらは「Futuristic Jazz Band」と呼ばれて注目されているグループです。ナタリア・ブリノヴァのヴォーカルを前面に出しています。ワードレスで歌う曲が多いナタリアは、シーラ・ジョーダンを髣髴とさせますが、もっと多彩な声を駆使します。素敵な高音です。マリーナ・カプーラよりすごいかも。クリョーヒンと共演させたかった。この声があれば何か変わった音楽、エソテリックな音楽が生まれそうなんだがなぁ…。期待しています。 ③ コンスタンチン・イオネンコ『Deep Immersion』FANCY034 イオネンコはウクライナ出身のベースギター奏者。最近、某DUさんでおみかけするウクライナのナタリア・レヴェジェワ(ピアノ)と結構付き合いの深い人です。このイオネンコのあるアルバムは、サックス、トランペット、ピアノ、ベース、ドラムのクインテット。捻ったテーマ・メロディで、7拍子基調の曲をどうぞ。スティーヴ・コールマンのアンサンブルを思い出します。 ④ オデッセイ・ボグーセヴィチ『Piano Solo』FANCY 023 ボグーセヴィッチは1995年にモントルー・ジャズ祭でオープニングを飾ったとか。現在は作曲家、ジャズ・ピアニスト、そして音楽教師。リリカルメロディの湧き出る源泉をもっているようです。キース・ジャレットそっくりに弾くこともやってのけます(例:3曲目)。それから、民族楽器サルタリーの奏者とのデュオ「Winter Sun」でトラッド音楽も奏でています。今日は、その流れで「チャストゥーシュカ」という曲を選びました。チャストゥーシュカというのはロシア伝統の即興的な余興歌です。 ⑤ ゴーツ・ノーツ(Goat's Notes)『Wild Nature Executives』Leo ファンシーミュージックからデビュー作『Fuzzy Wonder』を発表し、一躍インプロ、ニュージャズ系の注目バンドなった若者グループ、ゴーツ・ノーツのセカンド。デビュー作のドミートリイ・ウーホフのライナーノーツによれば、「モスクワのethono-jazz-rock-folk-avantguard scenの申し子」。若いのに一癖も二癖もありそうな面々の集まりのようです。ベースのVladimir KudryavtsevはSOUNDRAMAをやってきたというんですが、何のことでしょうか。ドラムスのピョートル・タラライは上記の、Live People Quartet、Priot Ensembleも掛け持ちしているそうで、売れっ子みたいだ。ピアノのサンドミルスキーはセファルディのトラッドをやっているそうです。ヴァイオリンとヴォーカルのマリア・ロゴフョートは広域ジャンルで活躍中。 ⑥ ブロム(Brom)『ベリモ』 ブロムは、アルトサックス(最近はバリトンサックス)のアントン・ポノマリョーフを核とする若者グループ。このグループもファンシーでデビュー作を作っています。あうんの呼吸の感覚があるみたいで、そもそもエクセントリック系のリフが、引き伸ばされたり切り刻まれたりして変形されながら繰り返され、起承転結のような展開を排し、ぷつっと終わるのがブロムの作風の特徴です。あの若手リーダー格、アレクセイ・クルグロフが嬉々として推薦文を書いています。 ■クルグロフ・ミーツ・キューン ⑦ アレクセイ・クルグロフ、ヨアヒム・キューン『Duo Art: Moscow』Act 9623-2 著名なベテラン・ピアノ奏者ヨアヒム・キューンがモスクワのクラブで弾く仕事で来た時、誰か面白いヤツいないかなと、持ち前の好奇心を発揮し、共演するに至った相手が、ロシア・ジャズ、ニュージャズのエース、アレクセイ・クルグロフ。ゲストに呼んで共演したら一瞬にして気に入って、翌日の観光する予定だったのをやめて、急きょスタジオに入って生まれたのが、活発なドイツのレーベルActからのこのアルバムです。2人ともオーネットコーマンマニアですから、何曲もやってます。そのうち「Researching has no limits」を。 ■ アート・ビート・ミュージックから ⑧ガイヴォロンスキイ、コンダコフ、ヴォルコフ『ロシア・ロマンス集 ダルゴムイジスキイに捧ぐ』アート・ビートAB-CD-06-2013-049 ベテラン・トリオです。ダルゴムイジスキイは19世紀中期のロシア、サンクトペテルブルクの作曲家で、ロシア語の響きや抑揚を生かした歌曲、ロマンスを作ろうと努力したということでおなじみです。会話のときの抑揚、アクセントで歌を作曲する手法、いわゆるデクラメーションというのがムソルグスキーとかドビュッシーの歌曲では使われていますが、その先駆がダルゴムイジスキイだとか。そういえば、ガイヴォロンスキイはもともと喋ってるような、あるいは詩の朗読のようなトランペット吹奏をする人でしたので、手がけるべきして手がけたプロジェクトということかもしれませんね。 ⑨ マリンバプラス『Flight over the world』アート・ビートAB-CD-11-2012-036 マリンバ奏者のレフ・スレプネル、ヴォーカルのタチアナに、サックス、クラリネット、ベースギター、ドラムス、さらにこのところ話題の若手ピアニストのエウゲニイ・レベジェフという編成。曲ごとに多彩なゲストを迎え、曲ごとに地域色を出していて、サンバ、インド、アフロビート、スペイン、他です。6曲目「La nunta Moldvei(モルドヴァの結婚式)」を聴きましょう。 ■バタゴフ、ザグニイ他:コンテンポラリー・クラシカル もう一度ファンシーミュージックに戻ります。このレーベルは現代音楽(いわゆるニュー・ミュージック)にかなり力を入れている様子です。いろいろ考えさせられる音楽が出てきています。 ⑩ アントン・バタゴフ『Selected letters of Sergei Rachmaninoff』FANCY 026 ピーター・ゲイブリエル、アルヴォ・ペルト、フィリップ・グラス、ブライアン/イーノ、ウラジーミル・マルトゥイノフ、ヴィムメルテン他へのラフマニノフからの手紙集という、なかなか考えつかない企画。ミニマル、反復調が基調の音楽集です。 アメリカでラフマニノフの墓の前に立ったとき、バタゴフは考えました。ラフマニノフの音楽は、ポストモダンのミニマリスト、ロック音楽家に影響を及ぼしているのではないかと。それがきっかけで作ったのがこのピアノ独奏集。上記の人たちの曲から、引用することはしないで、その人風でありラフマニノフ風でもある曲をいくつも、短期間に作ってしまったというのです。 こんなのありか? 引用しないでも、そっくりだ。言い換えれば、真似しないでも似せられる。あるいは、真似しないでも似てしまう。音楽にはそういうところが多分にあります。そうすると、オリジナリティとは何かとか、新しい創作、クリティヴィティとは何かという問いにもつながるのではないかと思います。それと大いに関連するのが、次のセルゲイ・ザグニイの曲集でしょうか!? ⑪セルゲイ・ザグニイ『Fragments from Swan Lake by Piotr Tchaikovski』FANCY 014 劇音としてチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」を、小編成という制約があったかでアレンジしていたとき、面白いことに、他の作曲家の先行曲と似ていると思われるようなところがいろいろあることに気が付いた。まったくもってオリジナルのものももちろんあった。ザグニイは、似ている部分を元ネタと置き変え編曲してみた。たとえば、有名な「情景」では、部分的にJSバッハとかブルックナーに差しかえた。ちょっと変えただけで、だいぶ違って聞こえる。こんなのありか。引用しないでも、似せられる。あるいは、真似しないでも似てしまう。あるいは、ちょっと拝借すれば、オリジナルな創作作品の著作者として成り立ちうる? 創作って何なんだ? う〜む。 ■それでは5月9日(土曜)の「ポスト・クリョーヒン・スタディーズ2015春@カフェズミ」でお待ちいたします ジャズ、ニュージャズ、インプロ、ニュー・フォーク、コンテンポラリー・クラシカル等々の注目作を選んで皆様をお待ちいたします。 お申し込み・予約先:toyo-402-okajima@docomo.ne.jp イベント詳細↓
by jazzbratblog
| 2015-04-22 13:10
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