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■ノヴォシビルスクのロマン・ストリャール 次は、ノヴォシビルスクで暮らしているピアニスト、インプロヴァイザー、作曲家、ロマン・ストリャールです。1967年生まれ。母校Novosibirsk College of Musicの教師でもあり、その教科書なのでしょうが、著書『Modern Improvisation: A Practical Guide for Piano』(2010年)が簡単に購入可能。電子ブックも入手可です。いわゆるcontemporary music、new musicの成果を使用しながらもスポンティアスな音楽をクリエイトにはどうすればいいか勉強してみたい人に向けて書いた本だとか。こんな本を出している以上、半端なことはできないですよね。実際、ストリャールは実に興味深い演奏をする人です。この人の場合、郷土にとどまらず、モスクワ、サンクトペテルブルクにもよく出張するようですし、国際的キャリアもかなり築いている様子。今日は、ペテルブルクの若手サックス奏者レニー・センデルスキー(1982年生まれ)とのデュオ・アルバムから1曲。レニーはムソルグスキー音楽カレッジでゲンナジー・ゴリシテインのクラスで勉強したそうです。ソ連でフリー・ジャズを手がけた最初期の一人がゴリシテインで、このところは学校の先生となって逸材を育てている様子です。いまをときめくイーゴリ・ブートマンもゴリシテインの教え子です。 ●music 9)ロマン・ストリャール、レニー・センデルスキー「Abstract Suite part 1」:『Extreme Points』(NewFolder2) 2010 @ St. Petersburg Roman Stolyar (piano), Lenny Sendersky (alto sax) ■アルハンゲリスクの人々:ウラジーミル・レジツキーの想い出を胸に ここ数年、Leo RecordsはまたロシアのミュージシャンのCDのリリースに熱がこもっている様子です。マスロンボエフ、クルグロフ、ラーピンといったまだ世界的には無名だけど光るものがある若手を紹介してくれるのはありがたいです。 去年、極北の白海に浮かぶソロフキー群島にある大修道院の写真をカヴァーにあしらったCD『East North』が出ました。鈴木正美さんはもちろんこの写真を見て泣き、パーソネルを見てまた泣いたことでしょう。拙者も、1991年にジャズ・グループ・アルハンゲリスクの日本ツアーのコンサートで衝撃を受けました。この日本ツアーの旗振り役を務められたのが、副島輝人さんであり、鈴木正美さんでした。翌年、副島さんのお誘いで、アルハンゲリスクへレジツキーたちがオーガナイズしていたジャズ祭を聴きに行き、その際にソロフキーへも連れて行ってもらったのです。今ソロフキー修道院は、ユネスコ世界文化遺産となり、綺麗になっている様子が写真からわかりますが、当時はまだ廃墟と見紛うような部分も多々ありました。 さて、ジャズ・グループ・アルハンゲリスクのメンバーだった、ウラジーミル・トゥーロフ、オレグ・ユダーノフ、ニコライ・クリーシン。レジツキーが晩年一緒に演奏していた民謡歌手エカテリーナ・ゾーリナ、そしてゾーリナ、レジツキーとのトリオの一員にして、レジツキーとデュオの相棒でもあったギタリストのティム・ドロフェイエフ。さらに、レジツキーの息子さんスパルタークが揃った演奏をこのCDで聴けます。2005年にアルハンゲリスクで開催された「エスノ・ジャズ・フェスティヴァル・イン・アルハンゲリスク」でのライヴ録音です。思えば、ジャズ・グループ・アルハンゲリスクはすでに70年代からethno-jazz- folk-avantguardでした。ゾーリナの北ロシア民謡風味にアフリカン・スパイスがかかったオツな曲を選びました。 ● music 10)ティム・ドロフェイエフfeat.エカテリーナ・ゾーリナ、スパルターク・レジツキー「I walk on grass」:『East North』(Leo CDLR 639)2005 live @ the Ethno-Jazz Festival in Arkhangelsk Tim Dorofeyev (guitar), Ekaterina Zorina (vocal), Nikolai Klishin (bass), Vladimir Turov (piano), Oleg Yudanov (drums), Spartak Rezitsky (percussions) & others ■マルク・ペカルスキー・アンサンブル 少し目先を変えて、いわゆる現代クラシック音楽のフィールドでは、ウラジーミル・マルトゥイノフとい作曲家の音楽に対する関心が内外でかなり高まっているようです。米国のクロノス・カルテットがマルトゥイノフ作品集のCDを出したことも相乗してのことでしょう。このフィールドで長らく重要な活動を続けてきた打楽器アンサンブル「マルク・ペカルスキー・アンサンブル」による、ソフィア・グバイドゥーリナ作品集が発表されました。しかも2枚組です。打楽器アンサンブルと言えばストラスブール打楽器合奏団が有名ですが、今ではそれに匹敵する注目度がありそうです。というのも、このアンサンブルは、グバイドゥーリナ、デニソフ、シニトケといった60年代〜80年代の前衛作曲家たちの曲をすすんで手がけたという歴史があるからです。 1枚目の冒頭に据えた、1974作曲「噂と沈黙(静寂)」を。 ●music 11)マルク・ペカルスキー・アンサンブル「Rumore E Silenzio」:『Sofia Gubaidulina Anthology』( Отделение ВЫХОД В304) 1998-2010 Mark Pekarsky Ensemble ■イーゴリ・ブートマンとその周辺 今をときめくサック奏者、イーゴリ・ブートマン(1961年生まれ)。クラブ経営者(Igor Butman Club at Chistie Prudi)、レーベル経営者(2009 Butman Music)、TV番組のホスト役、ウィントン・マルサリスの友人、など多彩な話題を振りまき、日のあたる道をばく進しています。実は、ブートマンは、10代の頃、セルゲイ・クリョーヒン(1954-97)に可愛がられ一緒にフリージャズもやっていた人ですが、世間的にはモロジャズのほうを選びました。1987年にUSAへ移住したものの、ソ連解体後に帰国し、それ以来サクセス・ストリーを描いてきています。演奏者としての腕前は超一流です。 最新アルバムからリームスキー・コルサコフ作曲「シェヘラザード」第4楽章を。 ●music 12)イーゴリ・ブートマン・オーケストラ「Sheherazade mov.4」:『Sheherazade's Tale』(Butman Music IB 74008) 2010 live @ Moscow International House of Music 6:14 Igor Butman Orchestra: alto sax solo-Konstantin Safyanov ブートマン・ミュージックから、ロシアの若いジャズ・ミュージシャンのリーダー作をコンスタントに出している所も立派だと思います。でもまだ指向としては、いわゆるモダンジャズ限定ですので、今後はもっと手を広げてください! ブートマン・ミュージックの中で推したいのが、20年近く前、アンドレイ・コンダコフ(ピアノ)と組んだ1ホーン・カルテット・アルバム『Blues for 4』。 ●music 13)アンドレイ・コンダコフ、イーゴリ・ブートマン他「Love and Hope」:『Blues for 4』(Butman Music IB 74007) 1996 @ New York 7:06 少し Andrey Kondakov (piano), Igor Butman (tenor sax), Eddie Gomez (bass), Lenny White (drums) ■セルゲイ・クリョーヒンの話題 ご承知のように、クリョーヒンはあまりにも早く病死しました。死後、その才能を惜しんで、記念フェスティヴァル(SKIF)が開催されてきました。それだけでなく、「Sergey Kuryokhin Foundation」の設立によりKuryokhin Modern Art Centerが生まれています。これはかつて映画館があった建物に拠点を据え、SKIFの他にElectro-mechanika Festival、Videoforma Festival、Ethno-mechanica Festivalを手がけ、音楽に特化するのではなく実験的な映画や美術他の催しも開催しています。 そうした活動もあって、話題性はかすむことがないせいでしょうが、モスクワのレーベル「Solyd Records」が、新たに4セットのクリョーヒンCD集(それぞれ2枚組+写真集付き)をリリースしたばかりです。 ①「セルゲイ・クリョーヒン&ボリス・グレベンシコフ」(1983、1991-95)。プライヴェート録音も含まれています。 ②「セルゲイ・クリョーヒン・イン・アクワリウム」(1983、1985)。サックスのウラジーミル・チェカシン参加の1985年ライヴでは、みんなお化粧していたことが、付録写真集からわかります。チェカシンはノリノリで吹きまくっています。 ③「日本」1989年ライヴ:ポノマリョーワ名義で日本でのライヴの一端を入れた1枚のCD(Leo)が出ましたが、今回は初登場をプラスして2枚で登場。 ④「USA」1988年米国での演奏。米国のいわゆる「エコ・ジャズ」の面々、ボリス・ライスキン(チェロ)、ジョナサン・クレイマー(チェロ)、ダドリー・エヴェンソン(ハンドハープ)、ディーン・エヴェンソン(フルート)が1987年にキエフ、レニングラード、モスクワを巡っている間にクリョーヒンと出会い、共演し、録音も残し、『Music Makes The Snow Melt Down』(Soundings of the PlanetSP7136)として出ました。翌年、1988年今度はクリョーヒンがUSAを巡ったときに彼らと共演したときの演奏と、新たにソロ・ピアノで録ったものを加えて2枚組にしたのがこのセットです。ソロは『Morning Exercise in the Nuthouse』と題し、カセットで出たものです。 今日は、②から1曲と、④から1曲聴いていただきます。 ●music 14)セルゲイ・クリョーヒン「Exercise 1」:『USA』(Solyd Records SLR 0289/90) 1988 @ USA Sergey Kuryokhin (piano)solo ●music 15)アクワリウムfeat.チェカシン「Pepel」:『Sergey Kuryokuhin in Akwarium』(Solyd SLR 0315/6) 1985 live @ Festival Lenningrad Rock Club Boris Grebenschikov (guitar, vocal), Sergey Kuryokhin (keyboards), Alexandr Titov (bass guitar), Petr Troshenkov (drums), Vladimir Chekasin (alto sax) ■そしてリトアニア、ヴィリニュスの話題 さて、チェカシンの名前が出た所で、最後にヴィリニュスの話題を少し。ソ連時代にチェカシン,ガネーリンとのトリオで活躍したウラジーミル・タラソフが自伝『トリオ』を出していることは、今日お集りの皆さんは先刻ご承知でしょうが、その和訳本の出版が決まりました(法政大学出版局か)!!! 鈴木正美さん訳です。2014年2月のソチ・オリンピックまでにはとの関係者の希望もあるとかで、今がんばって翻訳中です。ほんとうに楽しみです。 せっかくですから、ヴィリニュスのシーンから1曲聴いて、今日は締めましょう。 ヴィリニュスの若手の中には、タラソフやチェカシンやガネーリンの薫陶を受けた音楽家が多いですが、そんな一人が、ピアノとヴォーカルのアンドレー・パバルチューテーです。同じくチェカシンの弟子の一人であるサックス奏者リューダス・モスクーナスと一緒に組んだ「SAGA」で鮮烈なサウンドをアピールしていましたが、このところは即興ヴォーカルの追求に余念がない様子です。彼女自身の言い方では、「精神生理学的(pychophysiological)テクニックを応用したエネルギー流動のコントロールによる表現」を追究しているとのことです。共演者のクラウス・クーゲルは、近年ヴャチェスラフ・ガネーリン(ピアノ)、ピャトラス・ヴィスニャウスカス(saxes)とのトリオで話題になったドイツのドラマー。 ●music 16)パバルチューテー、トカール、クーゲル「Archaic Glimpses」:『Varpai』(Nemu 010)2010 @ Germany Andre Pabarciute (voice), Mark Tokar (bass), Klaus Kugel (percussions) ■次回のポスト・クリョーヒン・スタディーズは8月末あたりになりそうです 1991年のアルハンゲリスク・ジャズ・デイズの記録映像をもういちど皆さんとみたいということで、鈴木さんが画像のデジタル・リマスタリングを試み終了しました。 1991年はソ連という国の最後の年でした。この年、アルハンゲリスク・ジャズ・デイズは空前の規模で開催されたそうです。重要なソ連ジャズ、フリージャズのミュージシャンが勢揃いしたそうです。たまりません!!!!!!! 日時等が決まりましたら、当ブログ他でご案内したいと思っております。今の所、8月末を考えております。 どうぞよろしくお願いします。(岡島豊樹)
by jazzbratblog
| 2013-05-29 15:09
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