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メロディヤ盤探検 【12】 『Birstonas 86: Jazz Music Festival ①』(C60 25055 001) バルトの一国であるリトアニアのビルシュトナスでソ連邦時代の1980年にジャズ・フェスティヴァルが始まり、以来、隔年で開催されて今日に至っている。その実況録音盤LPも幾種かメロディヤ社から発売された。近年になって、1980年から2002年までの演奏を収録した2枚組CD『Jazz Festival Birstonas: Laurekai』(Birstonas Culture Center)と、1980年から1990年までの実況録音を収録した3枚組CDセット『Lithuanian Jazz 1980-1990』(Semplice SECD 014)が発売された。充実した解説書も付いていて本当にためになる。 リトアニア・ジャズの歴史を辿る上で、同じように重要なCDセットとして『Lithuanian Jazz 1929-80』(Semplice SECD 011)という3枚組がある。これはメロディヤ盤でリリースされたスタジオ録音、外国でリリースされた音源が収録された3枚組である。これも充実した解説書が付いている。併せれば1929年から2002年までの推移を実際の音で辿ることができる。もちろんヴャチェスラフ・ガネーリン(Vyacheslav Ganelin)、ウラジーミル・タラーソフ(ドラムス)、ウラジーミル・チェカシン(サックス、クラリネット)のトリオの演奏もチェックできる。 これらのCDセットについて、改めて紹介するとして、ここでは1986年、ソ連が大きな節目を迎えた年に開催されたビルシュトナス86の模様を書きとめおこう。 この年の実況録音盤は2枚制作された様子だ。私はLP①しか持っていないが、LP②もCDセットから大方うかがうことができる。 LP①のオープニングを飾るのは、ディキシー・グループ「ヴィリニュス・ディキシーランド(Vilnius Dixieland)」による「ヘイホー」。自作の陽気なディキシー演奏だ。ソプラノ・サックス奏者が光っている。澄み切った音色とリリカルな装飾の加減が絶妙だ。誰だ? すでにお馴染みのピャトラス・ヴィシニャウスカス(Petras Vysniaskas)ではないか。「命がけの飛躍」のピャトラスとは大違いだし、かの傑作『探究と発見』の重厚なピャトラスでもない。昔からのジャズ仲間と祝祭気分を盛り上げる中にも、おのずと非凡な才能がものを言っている、というところかもしれない。じ〜んとくる。 つづいて、マリーナ・グラノフスカヤ(Marina Granovskaya)が歌うエリントン・ナンバー「Everyting but You」。上々と思う。 次は、ジンタウタス・アバリアウス(Gintautas Abariausピアノ)のアンサンブルによる「ブギウギ・ブルース」で、曲名の通りの演奏。それにしても、アバリアウスはすでにかなりモダンな演奏をしていた時期のはずだと戸惑っていると、次の曲で解消される。アルトサック奏者アレクサンドル・フョードロフ(Alexandre Fedorov)とアバリアウスのデュオ演奏である。フョードロフはガネーリンと同い年(1944年生まれ)だから、タラーソフやチェカシンのお兄さん世代にあたる。アメリカン・ジャズ・サックス・スタイル史の多くを体現できるような器用さがある名手。ここで取りあげられているリトアニア民謡の基づくという自作曲は牧歌的に奏でられている。アバリアウスのピアノは新味のリリカルタッチだ。 B面はまず、さきほどしっとりマリ−ナの歌伴をつとめていたピアノのサウリウス・シャウチューリス(Saulius Siauciulis)率いるカルテットによる同時代的なシャープなモダン・ジャズ。2番手はマリーナが再登場してシャウチューリスたちに加わり、またエリントン・ナンバー「Bli-Blip」。男性歌手も加わっている。その後、アバリアウスのアンサンブルが再登場し、「パイントップ・トップ・ブルース」で景気の良いブギウギ。B面の締めは、マテレヴィチュース率いるアンサンブル「スタティバ・アンサンブル」による「ディキシー・スウィング」。曲名通り、ディキシーランド・ジャズらしいポリフォニーや賑やかさと、スイング期モダニズムを折衷させている。さらに、フィーチュアされるソロには明らかに独特の風味が混じり込んでいる。クレズマー調のようでもあり、微妙にラテン味もあるようにも思うが、なかなか言い切れない、ほのかな哀愁味はなんだろう? 私の場合は、スタイルが新しいとか、ノスタルジックとか、同時代的とか、アメリカの誰某をよく吸収しているという興味もないこともないが、こういう何か違う味が出てくると、とても良い経験が出来たなあという満足感が湧いてくるのが常だ。 以上、86年①。 メロディヤ盤探検 【13】 『Birstonas 86: Jazz Music Festival ②』(C60 25057 004) 私はビルシュトナス86のLP②はジャケットしか持っていない。①と一緒に買ったとき、②の中身も①の盤だったのでがっかりしたことを今思い出した。単なる先方のヘマだと思うが、正しい中身はまだ入手できていない。ただ、②に入っていた1曲、ウラジーミル・チェカシン(Vladimir Chekasin)が指揮するヴィリニュスの国立リトアニア音大ビッグバンドによる「ジャズ・オーケストラのためのコンチェルト」はCD『Jazz Festival Birstonas: Laurekai』(Birstonas Culture Center)で聴くことができる。 LP②の収録分も書き留めておこう。 A面は、リガ(ラトヴィア)から招かれたクネーシスのヴォカリニス・セクステット(Vokalinis sextet)とラウビシュカのジャズ・カルテットの共演よる有名なスイングのスタンダード「タキシード・ジャンクション」で始まる。次はヴィリニュス音楽学校のカルテットよる「船上」。次はピラギス(O. Pyrags)が歌うアレサ・フランクリンの「ロックンロール」。次は、①で活躍したシャウチューリス(Saulius Siauciulis)たちとクラリネット奏者プラナス・ナルシース(Pranas Narusis)によるスタンダード「ムーン・グロウ」。 B面に移り、上記ナルシースが率いるリトアニア国立音大クライペダ校のジャズ科の卒業生と在校生による「リトアニア・ディキシーランド」。再びシャウチューリスたちとナルシースが組んでのスタンダード「Blue Horizon」。 その次がチェカシン指揮のリトアニア音大オケである。チェカシンは同大ビッグバンドで数年間指導した。その薫陶を受けたのが、ヴュシニャウスカスやラブティスをはじめとする、今50代前半から半ばの世代のトップ・ミュージシャンたちである。ラグタイムから同時代のジャズまでに精通しているチェカシンは、このオケで数々の興味深い試みを行った。そのうちの1つが、ここに演奏された「Concerto for Jazz Orchestra」である。この曲は『Is this possible』と題したLPとなってメロディヤ社から単独で発売されることになる。内容は、ジャズ・スタイル史のコラージュ・プロジェクトで、ぞくぞくするほど刺激的な展開が相次ぐコンチェルトである。演奏者はよほど鍛えられているようで、まさしく「こんなのホントにできちゃうの?」と驚かないほうが不思議というべき演奏だ。長尺曲なので、CDでも1部しか入れていない。LP②ではたった5分少々。 LP②の最後は、再びリガのヴォカリニス・セクステットで、スタンダード「A nightingale sang in Berkeley Square」。 ↓次の写真は、上から 2枚組CD『Jazz Festival Birstonas: Laurekai』(Birstonas Culture Center)1980-2002 3枚組CD『Lithuanian Jazz 1980-1990』(Semplice SECD 014) 3枚組CD『Lithuanian Jazz 1929-80』(Semplice SECD 011)
by jazzbratblog
| 2011-05-08 19:48
| メロディヤ盤探訪
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